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今さら聞けない 無形固定資産

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例えば、東芝<6502>が半導体メモリー部門(東芝メモリー)を売却して債務超過を解消するってなんだか変だと思うのです。


いや。これでももきち♪は中小企業診断士試験に合格しています。言っていることはわかります。

半導体メモリー部門は毎年利益を出しているから、資産の帳簿価格(簿価)よりも高く売れて、売却益(のれん代)が出ることで、債務超過が解消されるのです。

確かにおっしゃる通りです。でも、その後東芝<6502>が東芝メモリーを買い戻したらどうなるでしょう。


--みょ 元の木阿弥だみょ 債務超過だみょ

そうでしょうか。売却代金は約2兆円と言われています。それに対して、東芝<6502>の2017年6月30日時点の固定資産は約6,570億円となっています。

目一杯多めに見積もって、半分が半導体メモリー部門の資産で、その他もろもろ目一杯詰め込んでも東芝メモリーの資産は高々5,000億円程度だと考えられます。

残りの1.5兆円は「のれん代」です。購入した企業の損益計算書には2兆円で5千億円の資産と1.5兆円ののれんを買ったということで帳尻が合います。貸借対照表にも1.5兆円の「のれん」が計上されます。


そこで、東芝<6502>が売却代金をそっくりそのまま使って東芝メモリーを買い戻したらどうでしょう。

--みょ のれんが付いてくるみょ

うん。2兆円で5千億円の資産と1.5兆円の「のれん」を購入します。損益計算書も貸借対照表も購入した企業と同様の処理になります。今年度末の債務超過想定額は約5000億円ですので、いつの間にか約1兆円の資産超過になっています。

つまり、そのままだと債務超過になるところが、一度誰かに売却してそのまま買い戻すと債務超過が解消しているということになります。


--みゅっ! なんかインチキだみょ きっとダメだみょ!

う~ん。確かに納得はできないけれど、からくり上はそうなると思うのです。

納得できない原因は、貸借対照表の制度に問題があると思います。いや。貸借対照表はよくできているのですが、「無形固定資産」がうまく計上できていないのではないかと思うのです。

以前から、特許や本当に先進的な技術力や従業員のノウハウと言ったものの評価が低いと思っていました。低いというか、ほとんど計上されていないと思います。

本来2兆円の価値がある東芝メモリーなのに、貸借対照表に2兆円では計上できないのです。一度売却して初めて価値が確定するのです。おかしな話です。売却しなくても価値は変わらないはずです。

「知的財産権」ってのも確立しているようで確立できていません。例えば特許。研究開発を続けてやっと特許申請しても、その時点では登録されるかどうかわかりません。そしてその価値もその時点では確定しません。無形固定資産に計上しにくいのです。

でも、費用はどんどん出ていきます。だったら、毎年費用計上したほうが簡単だし、わかりやすいのです。

そういった積み重ねが1.5兆円なのです。

--みょ だったら1.5兆円を計上すればいいみょ

う~ん。でも、勝手に「のれん」を計上することは禁じられています。妥当性が担保できないのです。一度売却すれば「市場価格」が決まります。


別に東芝メモリーだけの問題ではないのです。製造業なら特許や技術者、小売業ならブランドや仕入れルート、すべての会社でノウハウと言った、貸借対照表に計上されていない資産というのがあります。

一度売却しないと価値が計上されないというのはとっても悲しいと思うのです。だからと言ってちゃんとした計上方法と言われるとノーアイデアなのですが。

内部留保課税って理解不能です ひょっとして勘違い?

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図1:7203 トヨタ自動車 第113期 有価証券報告書 貸借対照表 利益剰余金

何だか「内部留保」が悪者にされているようです。


「内部留保」とは、「税引き後純利益」の使い道として「配当金」や「役員報酬」などを引いた後の企業内に残すものです。「株主資本」の「利益剰余金」に組み入れられます。

「株主資本」ですので、「資本金」や「資本剰余金」と同じ扱いで、これらのお金を使って企業活動を行います。「配当金」として株主に分配する替わりに、再投資するのです。株主みんなのお金です。


--みょ 会社がため込んでいるお金だみょ お金は使わないと意味がないみょ

う~ん。何だかそんな風潮になっていますが、決して現金でため込んでいるわけではありません。多分「留保」という言葉だけに反応して、「ため込んでいる=現金」と勘違いしているのだと思います。

例えば図1のトヨタ自動車<7203>では「利益剰余金合計」が約10兆円となっています。では、現金預金はどうなっているでしょう。

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図2:図1の流動資産

「現金及び預金」は約1兆円です。「利益剰余金合計」の約10分の1です。

--みょ きっと金庫の中に金塊がたっぷりため込んであるんだみょ

いえ。それだったら「流動資産」に計上されるはずです。「流動資産」の合計も約6.5兆円ですから、「利益剰余金合計」には到底達しません。「流動負債」が約4兆円ありますので、これぐらいは必要です。


どうも「内部留保」はけしからんと言っている人たちは、「内部留保」を減らして「賃上げ」や「設備投資」に回すべきだと言っているようです。

でも、「内部留保」を減らすと、直接的には「株主配当金」を増やすか「役員報酬」を増やすかということになります。

「内部留保」はあくまでも「資本金」を厚くする手段なのです。その「資本金」の使い道として「人件費」や「設備投資」があります。

確かに、「人件費」は費用ですし、「設備投資」を実施すると「固定資産」に対する「減価償却費」として費用が発生しますので、利益が圧縮されて「税引き後純利益」が減って、間接的に「内部留保」は減少するかもしれません。

でも、「株主配当金」や「役員報酬」をそれ以上に減らせば「内部留保」は減りません。「内部留保」は資金を集めるための項目で、「人件費」や「設備投資」はお金の使い道なのです。


ここにきて、希望の党が「内部留保課税」の新設を公約に入れるのではないかとのニュースが流れています。

「内部留保」は法人税を徴収した後の「税引き後純利益」の配分なのですから、この「内部留保」に課税するとなると二重課税になります。

--みょ んでも「内部留保」を勘違いしているとすると現金に税金をかけるってことだみょ

うん。でも、現金を持っていないと仕入れ代金や従業員の給料が払えません。その現金に課税するとは考えにくい。だとすると、何に課税するつもりなのかもうもきち♪の頭では理解不能です。

あの政党はそもそも理解不能ですが、今回のニュースに至っては、何を言っているのかわからないのです。


もきち♪の勘違いなのでしょうか?

--みょ きっともきち♪が大きな勘違いをしているんだみょ

う~ん。でも、もきち♪だって中小企業診断士試験に合格しています。財務諸表はしっかりと勉強してきました。

まあ。複数のニュースで流れただけで、まだ公式発表されていませんので、公式発表を待ったほうがいいのかもしれません。

内部留保は企業がため込んでいる現金だと思ってない?

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図1:貸借対照表の利益剰余金

テレビの割とまともな番組で、立て続けに「日本の企業は内部留保をため込んでいるから景気が良くならない」なんて話をしていました。


テレビの人は、内部留保をため込んで、企業がお金を使わないと言っているのです。

企業は、内部留保を吐き出して設備投資などに回しなさいって話を続けています。

何だか話が分かりにくい。どうやら内部留保を、企業が持っている現金のように話しているのです。


この「内部留保」ってのは、企業会計の勘定科目にはありません。そもそもは、旧商法の「利益処分」で使われていた言葉だと思います。

旧商法では、企業の純利益を「株式配当金」や「役員報酬」や「内部留保」などに振り分ける「利益処分案」を作成して「株主総会」で承認を得る必要がありました。

利益処分なのです。そもそも、利益は株主のものです。それを株式配当金として受け取るか、内部留保として会社の資本を厚くして設備投資とか研究開発に振り向けるかを株主総会で決めるのです。

新会社法では「利益処分」という概念がありませんので、純利益のうち「株式配当金」に回した残りが「内部留保」と言えます。これらが積みあがったのが「貸借対照表」の「純資産の部」に記載されている「利益剰余金」とかです。


--みょ 資本金と同じところに書いてあるみょ

うん。そうなのです。資産の出所が「利益」だということです。

株式会社は、投資家からの出資を募ったり、お金を借りたりして集めたお金で、設備投資をしたり仕入れをしたりして利益を得ます。

お金を集める一つの手段が「内部留保」なのです。

ですから、内部留保が多いか少ないかというのは、配当金に回していないとか、お金を借りていないとかを見ないとわかりません。つまり、「配当性向や自己資本比率」で評価されるものなのです。


「内部留保」された利益は、現金だったり、仕入れに使ったり、設備投資に回したり、研究開発に使われたりします。借入金の使い道と一緒です。

もしも、「内部留保をため込んで投資に使っていない」というような理論を展開するのなら、内部留保で増加した資産が貸借対照表の「現金預金」に回って、活用されていないというところを見ないといけません。

要するに、現金預金が余剰で、毎年増加していると思っているのです。

でも、実際に毎年上場企業3000社以上の貸借対照表をチェックしていますが、現金預金が余っていて毎年増えているといった企業はわずかです。

つまり、「内部留保」は積みあがっているけど、ちゃんと投資に回していると見ています。


きっと。テレビの人は、貸借対照表の左側(借方)に書かれる「資産の部」の「現金及び預金」と、右側(貸方)に書かれる「利益剰余金」を意識せずに話しているのだと思います。

だから、視聴者の頭の上に「????」マークがたくさん出ているのではないかと思うのです。

きっと。一度でも「内部留保をため込んでいる」と思う企業の財務諸表を見れば解決するのです。

日本の企業は、別に必要以上に現金預金をため込んでいるわけではないと思っています。

絵で見る債務超過 -6502 東芝の債務超過を受けてー

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図1:貸借対照表のからくり

2017年04月11日に6502 東芝が監査法人からの監査適正意見を得られないまま第3四半期決算短信を発表しました。


監査適正意見を得られないままというのは想定外ですが、内容は想定通りの債務超過でした。債務超過額は2,257億円となっています。

今までも「債務超過」については触れてきましたが、良い機会ですので、もう少し掘り下げてみたいと思います。

今まで触れてきたように「債務超過とは資産をすべて売却しても負債が返済できない」ことです。

この「債務超過」は公表義務のある決算書類の「貸借対照表(B/S:Balance sheet)」に現れます。

--みょ どの企業も公表しているの?

うん。上場企業は必ず金融庁のEDINETで閲覧できます。また、非上場の株式会社でも登記してある公告方法に従って公告されます。


株式会社は投資家から出資を募ったり、借金をしたり、利益を内部留保したりしてお金を集めます。その集めたお金を使って工場を建てたり、機械を買ったり、材料を仕入れたりします。

どうやって集めたお金か」と、そのお金が「どんな形で残っているか」を表しているのが「貸借対照表」です。

貸借対照表にはいろいろな情報が詰め込まれていますので、いろいろな勘定科目が並んでいます。そのままではわかりにくいので、大幅に簡略化したのが図1になります。

左側に残っている形を記載して、右側にはどうやって集めたお金かを記載します。

--みょ んでも集めたお金は使っちゃうみょ

うん。例えば100億円で工場を建てたとすると、100億円の現金(流動資産)が100億円の工場(固定資産)にかわります。その時には資産の総額は変わりません。その工場を稼働させていく間に減価償却費として費用計上されていきます。

そして、企業活動全体の損益が内部留保という形で貸借対照表に現れてくるのです。材料を買ったり、クリアファイルなどの消耗品を買った時も同じです。


図1をもっと単純にしてみます。

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図2:図1をもっと単純化

貸借対照表では、負債と資本の合計額が資産の総額になります。バランスシートなのです。

資産=負債+資本 ----(1)

この式を変形すると資産と負債の差が資本ということになります。

資本=資産ー負債 ----(2)

通常は負債よりも資産のほうが多いので、資本はプラスです。ところが、資産が減って負債が増えてくると様子が変わってきます。

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図3:貸借対照表のからくり(債務超過)

--みょ 資本の入り込む余地がないみょ 負債のほうがはみ出しているみょ

うん。式2で計算すると、資産よりも負債のほうが大きいのですから、資本がマイナスになります。

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図4:図3にマイナスの資本を追加

この状態が債務超過です。資本がマイナスの状態とも言い換えられます。


債務超過の状態だと、資産をすべて簿価(帳面に記載した価格)で売却しても借金が返せずに残ってしまう状態です。

今回6502 東芝が半導体部門を売却しようとしているのは、大きな利益を出している部門なので、簿価よりも高く売れるということです。

ウェスティングハウス・エレクトリック・カンパニーの「のれん」で債務超過に陥ったから、半導体部門に大きな「のれん」を付けて売却して穴埋めしようとしているのです。

このことからも分かるように、資産評価額というのはなかなか難しいところが悩みどころだったりします。

今さら聞けない キャッシュ・フロー計算書

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図1:たまたま今日決算発表をしていた銘柄のキャッシュ・フロー計算書

上場企業には、貸借対照表(B/S)損益計算書(P/L)キャッシュ・フロー計算書(C/S)株主資本等変動計算書(S/S)の作成と公開が義務付けられています。


今まで「貸借対照表」と「損益計算書」は何度か取り上げてきました。でも、「キャッシュ・フロー計算書」は避けてきました。

もきち♪が企業会計を勉強したのは、中小企業診断士受験時代が中心です。中小企業診断士には平成6年度に合格していますので、勉強していたのは平成5年の話です。

キャッシュ・フロー計算書は1999年度(平成11年度)から上場企業への作成が義務付けられていますので、ぶっちゃけちゃんと勉強していないのです。

とは言っても、資金繰り表は勉強していますし、ざっくりとは勉強したのですが、はっきり言って何を見たらいいのかよくわかりません。はい。避けていました。

--みょ 修業不足だみょ

はい。完全に修業不足です。ということで、今回まじめに調べています。


企業会計は「発生主義」が原則です。

--みょ?

うん。企業はあまり現金でのやり取りはしません。例えば製造業が製品に使うネジを買った場合、現金で支払うのではなくて、お金の代わりに支払手形を発行します。

そして、追加で買ったネジとか、別の種類の部品とかをまとめて月末締めの翌月払いなどで支払います。

でも、もうネジは製品に使って製品を出荷している場合もあります。お金を払っていないのに、出荷してしまいました。

このネジをいつ購入処理をするのかという問題が出てきます。

企業会計の基本は、ネジを受け取ったときにはもう購入しているのだから、「ツケ」で購入したとします。勘定科目として「ツケ」ってわけにもいきませんので、「買掛金」として処理します。

そして、ツケの支払いが済んだ時に「買掛金」を処理します。

これが「発生主義」です。

これに対して、実際にお金のやり取りをした時点で帳簿をつけるのが「実現主義(現金主義)」です。

「発生主義」ではお金をやり取りする事象が発生した時に計上しますので、損益とかがわかりやすい利点はあります。でも、ちゃんと支払いのための現金が手当てできているかがわかりにくい。

通常。費用は売上よりも先に必要になります。例えば小売業だと、商品を仕入れてからその商品を売るわけです。仕入れが先です。調子に乗って商売を広げると、売り上げは上がっているのに仕入れ代金を払えないなんてことになります。

支払いができないと倒産につながります。よくある黒字倒産のパターンです。

それは困るってんで、「実現主義」で資金繰り表やキャッシュ・フロー計算書を作成します。


キャッシュ・フロー計算書の大まかな構成は「営業活動によるキャッシュ・フロー」「投資活動によるキャッシュ・フロー」「財務活動によるキャッシュ・フロー」となっています。

「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、通常の営業活動でのキャッシュ・フローです。

「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、設備投資や有価証券投資などによるキャッシュ・フローです。

「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、負債などの財務活動によるキャッシュ・フローです。

調子のいい会社は、利益が上がって「営業活動によるキャッシュ・フロー」がプラスで、設備投資などで「投資活動によるキャッシュ・フロー」がマイナスで、負債を返済して「財務活動によるキャッシュ・フロー」がマイナスなんてパターンになります。


ファンダメンタルズ分析では「フリーキャッシュ・フロー」という言葉を聞きます。

--みょ キャッシュ・フロー計算書に出てこないみょ

うん。出てこないというか、出ているというか、計算して求めます。ざっくり言うと、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計です。

このフリーキャッシュ・フローは、企業が自由に使えるキャッシュ・フローと言えます。

設備投資に使うのも、負債の返済に使うのも自由なのです。どう使うのか見ものです。


キャッシュ・フロー計算書は、とても一度では検討できません。

でも、とりあえずざっくりとは確認できましたので、今後修行を続けたいと思います。

プロフィール

もきち♪

Author:もきち♪
個人事業主ですが株式投資のほうが主体になっています。

投資スタイルは逆張りナンピン。チキンになりきれないひよこ投資家™でピヨピヨトレードです。

2007年に投資信託を始めて、2009年に国内株式の個別銘柄投資を始めました。

中小企業診断士(診断業務休止中)でオンライン情報処理技術者です。

ブログでは株式投資とコンピュータの話を中心に書いています。

きほんゆるめに。。。

【FISCOソーシャルレポーター】ってのに公認されました。


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