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今さら聞けない のれん

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「のれん」を守るってきっと大変なことです。


「のれん」はただの布切れですが、その布切れには壮大な歴史があって、その「のれん」を信じてすべての顧客がくぐって、「のれん分け」をすれば本家の信念と顧客の信用が宿っていると言えます。

物質的な価値はほとんどなくても、物質的価値だけでは到底測れないお店の本質ともいえる価値が宿っていると思います。

--みょ 「のれん」はおいしさの証だみょ

うん。お金では測れません。


でも、企業会計ではこの価値を金銭的に評価しないといけない場面が出てきます。

例えば、何百年も続いているそば屋さんの名店を職人さん込みで買収する場合、その門外不出の製造方法や風格ある店構えや長く常連となっている顧客などをまとめて買収することになります。

ここで、そば屋さんの資産が1億円だったとして、妥当な買収金額はいくらになるのでしょう。1億円の中には、お店の不動産価値はもちろん、什器の価値や、厨房設備など形あるもののすべての価値が含まれています。

でも、職人さんのノウハウや、門外不出のレシピや、顧客からの信用は含まれていません。本質はそこにあっても、資産には含まれていないのです。

きっと資産とは全く関係なく適正な買収価格が決められると思います。もちろん1億円の何倍もの価値なのでしょう。


では実際に5億円で買収したとして、買収した側の会社で考えてみます。妥当と思える5億円で老舗のそば屋さんを買収したのですが、実際に増えた資産は1億円となってしまいます。

5億円で1億円の資産を買ったとなると、4億円の損失です。でも、実際に買ったのは1億円の資産などではなくて、職人さんのノウハウや顧客からの信用ですから、適正価格の5億円なのです。

そば屋さんの「のれん」に4億円を支払ったのです。いや、物質的な「のれん」に価値があるわけではなくて、形に表せない「のれん」に4億円を支払っています。

ということで、買収した側の資産には「のれん」が追加されることになります。物質的ではなくて形に表せないほうの。

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図1:たまたま見つけた貸借対照表


この「のれん」に計上するのは「買収額」と「買収した企業の資産」の差ということになります。老舗のそば屋の例では、買収額5億円とそば屋さんの資産1億円との差4億円が「のれん」として買収した側の貸借対照表の「無形固定資産」に計上されます。

これで、5億円のお金で1億円の資産と4億円の老舗そば屋のノウハウと顧客からの信用などを買収したことになります。貸借対照表はすっきりしました。


でも、このノウハウとか信用とかって金銭に表すことが難しい。また、買収の場合はいいのですが、そもそも買収話がない場合にこの老舗のそば屋が勝手に「のれん」を貸借対照表に計上することは禁じられています。

買収されたらちゃんと価値を認めてもらえるものでも、買収がなければ会計処理上まったくの無価値なのです。

また、実際の買収価格って当事者が決めるものです。「3億で買いたいみょ」3億じゃいやだみょ」「んじゃ 5億だすみょ」「うにうに それなら売るみょ」ってなもんです。

不透明です。わかりにくい。困ったものです。


「のれん」ってのは妥当性を図るのが難しい勘定科目だと思います。いや。実際には買収額と資産との差なのですから妥当なのですが、問題は「買収額が妥当なのか」ってのがわかりにくいのです。

では、「のれん」をやめて、買収時に「特別損失」として処理するのがいいのかというと、それもなんだかしっくりきません。

PBRが1倍を切るのが異常なのと同様に、企業買収では資産よりも高額な買収額となるのが自然です。それなのに「損失」だといわれても実態を正確に表しているとは言えません。

ここは、貸借対照表を読む側が「のれん」の妥当性を個別に評価するしかないのかと思っています。
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プロフィール

もきち♪

Author:もきち♪
個人事業主ですが株式投資のほうが主体になっています。

投資スタイルは逆張りナンピン。チキンになりきれないひよこ投資家™でピヨピヨトレードです。

2007年に投資信託を始めて、2009年に国内株式の個別銘柄投資を始めました。

中小企業診断士(診断業務休止中)でオンライン情報処理技術者です。

ブログでは株式投資とコンピュータの話を中心に書いています。

きほんゆるめに。。。

【FISCOソーシャルレポーター】ってのに公認されました。


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