2017.04.05
今さら聞けない キャッシュ・フロー計算書
図1:たまたま今日決算発表をしていた銘柄のキャッシュ・フロー計算書
上場企業には、貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)、キャッシュ・フロー計算書(C/S)、株主資本等変動計算書(S/S)の作成と公開が義務付けられています。
今まで「貸借対照表」と「損益計算書」は何度か取り上げてきました。でも、「キャッシュ・フロー計算書」は避けてきました。
もきち♪が企業会計を勉強したのは、中小企業診断士受験時代が中心です。中小企業診断士には平成6年度に合格していますので、勉強していたのは平成5年の話です。
キャッシュ・フロー計算書は1999年度(平成11年度)から上場企業への作成が義務付けられていますので、ぶっちゃけちゃんと勉強していないのです。
とは言っても、資金繰り表は勉強していますし、ざっくりとは勉強したのですが、はっきり言って何を見たらいいのかよくわかりません。はい。避けていました。
--みょ 修業不足だみょ
はい。完全に修業不足です。ということで、今回まじめに調べています。
企業会計は「発生主義」が原則です。
--みょ?
うん。企業はあまり現金でのやり取りはしません。例えば製造業が製品に使うネジを買った場合、現金で支払うのではなくて、お金の代わりに支払手形を発行します。
そして、追加で買ったネジとか、別の種類の部品とかをまとめて月末締めの翌月払いなどで支払います。
でも、もうネジは製品に使って製品を出荷している場合もあります。お金を払っていないのに、出荷してしまいました。
このネジをいつ購入処理をするのかという問題が出てきます。
企業会計の基本は、ネジを受け取ったときにはもう購入しているのだから、「ツケ」で購入したとします。勘定科目として「ツケ」ってわけにもいきませんので、「買掛金」として処理します。
そして、ツケの支払いが済んだ時に「買掛金」を処理します。
これが「発生主義」です。
これに対して、実際にお金のやり取りをした時点で帳簿をつけるのが「実現主義(現金主義)」です。
「発生主義」ではお金をやり取りする事象が発生した時に計上しますので、損益とかがわかりやすい利点はあります。でも、ちゃんと支払いのための現金が手当てできているかがわかりにくい。
通常。費用は売上よりも先に必要になります。例えば小売業だと、商品を仕入れてからその商品を売るわけです。仕入れが先です。調子に乗って商売を広げると、売り上げは上がっているのに仕入れ代金を払えないなんてことになります。
支払いができないと倒産につながります。よくある黒字倒産のパターンです。
それは困るってんで、「実現主義」で資金繰り表やキャッシュ・フロー計算書を作成します。
キャッシュ・フロー計算書の大まかな構成は「営業活動によるキャッシュ・フロー」「投資活動によるキャッシュ・フロー」「財務活動によるキャッシュ・フロー」となっています。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、通常の営業活動でのキャッシュ・フローです。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、設備投資や有価証券投資などによるキャッシュ・フローです。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、負債などの財務活動によるキャッシュ・フローです。
調子のいい会社は、利益が上がって「営業活動によるキャッシュ・フロー」がプラスで、設備投資などで「投資活動によるキャッシュ・フロー」がマイナスで、負債を返済して「財務活動によるキャッシュ・フロー」がマイナスなんてパターンになります。
ファンダメンタルズ分析では「フリーキャッシュ・フロー」という言葉を聞きます。
--みょ キャッシュ・フロー計算書に出てこないみょ
うん。出てこないというか、出ているというか、計算して求めます。ざっくり言うと、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計です。
このフリーキャッシュ・フローは、企業が自由に使えるキャッシュ・フローと言えます。
設備投資に使うのも、負債の返済に使うのも自由なのです。どう使うのか見ものです。
キャッシュ・フロー計算書は、とても一度では検討できません。
でも、とりあえずざっくりとは確認できましたので、今後修行を続けたいと思います。